ニット・セーターを着たお姉さん 〜横手・北山賢一 工人作より〜
4月末日だというのに冬に逆戻りしたようなひんやりとした朝。
しまい込んだ冬物をふたたび着込んだり、暖房のスイッチに思わず手を伸ばしてしまう中で取り出したのがこのこけし。
ニットセーターを着たお姉さんをふと思い出します。
こちらは東京こけし友の会の例会にて入手した作品。
直感的に美しいなあと感じました。
クールな表情に、まさにニットを連想するざらっとした手触りの木地。
胸元に描かれた紫の蝶と膨らみかけた赤い蕾の描彩。筆のかすれに蕾の柔らかさを感じます。
胴に描かれた鮮やかな花。茎や葉のいずれにも動きを感じます。裾の葉を描くときの筆の運びがリズミカルです。