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昼下がりのアンニュイ 〜仙台・鈴木敬 工人作〜
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休日の、西陽が射し込む部屋で外へ一歩も出ず、自ら作品のような格好で鑑賞していると、「ねぇつまんな〜い、遊んで」とか「きょうはちょっとひとりでいたいの…」ということばが聞こえてきそうな表情に惹かれてしまいます。
これは立てるのではなく、横に寝かせて眺めることでより雰囲気が出るものと考えます。作並は子どもが手に握って遊ぶように作られていると聞いたことがあります。
東京こけし友の会 の新年例会で招待された鈴木敬工人は、石川県挽物轆轤技術研修所で漆器にかかわる技術を修得ましたが、この研修所のすごいところは製作技術だけでなく、工芸史、日本画や茶道など工芸の背景になる文化的なことも教えている点です。この教養的バックグラウンドはのちのち重要になってきます。
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敬工人は「胞吉工人作を見ると、漆器の加工で使われる技術がアクセントとして入っており、これは挽物技術を体系的に学んで初めてわかった」との趣旨を話しておりました。