実物版「こけし飛行機」の第二弾は弥治郎系。製作は新山実工人。
11月13日から17日までの5日間、東京巣鴨のとげぬき地蔵尊(高岩寺)で開催された「弥治郎系伝統こけし製作実演」の模様を写真でお伝えいたします。
なお、ことし7月に開催されたときの模様は「2015.07 美と技巧に浸る4時間 ~巣鴨とげぬき地蔵尊・弥治郎系伝統こけし製作実演~」でご紹介しておりますので併せてごらんくださいませ。
信徒会館入口に設置されたおなじみ「こけし灯籠」は黒石市の森勇一さんの作品です。今回の参加工人である新山実工人、新山真由美工人、吉野稔弘工人の作品をモデルに制作されたものです。
会場風景。
初日の13日に訪問しましたが、なかなかの賑わいぶりです。今秋の開催では「雛こけし」など新作が多く展示・販売されました。
床の間の前に整列するこけし、だるま群。素敵なビジュアルです。
吉野稔弘工人の作品群。
日々腕を上げてきているとこけしファンの注目を呼んでいます。
パステル調なラインと水玉模様の傘をかぶった吉野工人作品。
傘の部分は取り外してコマとして回すことができます。ちなみにこのコマ、回転持続時間が長くバランスよく木地が挽けていることの証でもあります。
同じく真由美工人作のえじこ。
蓋をあけると中からたくさんの小寸が。
いきなり蓋を開けられて驚いているのがひとりいますね。
新山実工人作、「こけし飛行機」の弥治郎系ヴァージョン。
会場内で目を引いたのはやはりこちらでしょうか。
宮城県が仙台空港発着航空機を利用する観光客を増やそうと実施された「Sky Journey 仙台・宮城」キャンペーン用に制作されたポスターに描かれた「こけし飛行機」が大きな話題となりました。
もともとCGでデザインされたものですが、「やはり実物を」と県庁が鳴子の吉田勝範工人に制作を依頼、宮城県知事の記者会見(9月7日)で披露されこちらも話題に。
知事は「県内の各系統による『こけし飛行機』を作ってみたら面白い」との趣旨のコメントを述べており(9月28日会見)、続いて作られたのが弥治郎ヴァージョンです。メディアでは「こけし飛行機」について「キモかわいい」という表現をしておりますが、実工人の描彩にかかれば「素直にかわいい」と感じます。
ちなみに今回入手したのはこちら。
「柿、おいしそうだね…」
今回は工人さんのクリエイティビティ溢れる作品を連れてまいりました。
左より新山真由美工人の可愛さ満載のえじこ、吉野稔弘工人のよく回るパステル調傘ゴマ型、新山実工人のうまそうな柿(つりゴマ・別名いじわるゴマ)とくびれ胴。