Kokeshi Second Angle,こけし道中,鳴子系

鳴子_こけし堂12016年10月8日から鳴子温泉湯元の櫻井こけし店敷地内にリニューアルオープンした「 こけし堂」。
オープンを目前に控えた10月初旬、準備只中のところをお伺いいたしました。

 

鳴子_こけし堂2櫻井こけし店の建物は3階建てで1階部分と3階部分に店舗と実演工房があります。
1階店舗はこけし通りから、3階店舗は鳴子ホテル横の上野々スキー場・古戸前・潟沼方面に至る道路からアプローチします。

 

鳴子_こけし堂3もともと3階は昭二工人(1927-2011)の仕事場でした。鳴子を訪れるファンと語らえる場所、そして地域の方々と交流できる場所を…という昭二工人の思いから「こけし堂」は作られました。こけし祭りのときには深夜まで愛好家たちが歓談をしていたといいます。

昭二工人亡きあと、しばらく3階部分は往時の状態のままになっていましたが、「ふたたび鳴子でこけしを語れる場を…」との願いや声は愛好家や地元の方などさまざまな方面から出ていました。
その折、昭寛工人の息子・尚道さんが工人の道を歩むことになり「こけし堂」をリニューアルするチャンスが生まれました。

2年近く準備が進められ、プレオープンは第62回全国こけし祭りの開催に合わせた2016年9月3日。
店内では仙台の「こけしぼっこ」さんによる「こけし劇」が上演され話題を呼びました。

 

では店内の様子をお伝えしていきたいと思います。
準備中に訪れたため、オープン後と館内レイアウトが異なる箇所がございますことをご了承下さいませ。

鳴子_こけし堂4
正面入口すぐに商品の販売スペースを設け、右側には展示スペースがあります。
販売スペースではこけしのほか、雑貨類も販売しています。
展示スペースは都内のギャラリーを思わせるモダンな作り。
プロジェクタースクリーン、プロジェクター、音響機器を備え、映像や音楽の上映・上演も可能です。

 

鳴子_こけし堂5
展示スペースは正面向かって左側にもあります。
昭二工人の作品、こけしや郷土玩具に関する資料を展示しています。
棚の支柱に注目。

 

鳴子_こけし堂6上記の展示スペース背面は落ち着いた和室になっており、談話会などのイベントを開催することができます。

2016年12月3日に談話会の第一弾として、トークセッション「こけし夜話 Vol.1」の開催が予定されています。
(詳細は→ こけし堂 facebookページをごらんください)

鳴子_こけし堂7窓を開ければ江合川と花渕山の眺め。
初夏にはみずみずしい新緑とすがすがしい風を感じることができるでしょう。

 

鳴子_こけし堂8昭二工人が描いた岩蔵型の画。
この大きさは実際に訪れて感じていただければ幸いです。

 

鳴子_こけし堂9他系統のこけし群。
右端にある煤けた小松五平工人作の存在感。

 

鳴子_こけし堂10
こけし堂の工房。
現在、尚道さんが木地修行に励んでおります。
画像右側のパネルには山中の工房の庭で撮影した昭二工人と作品の姿が。

 

鳴子_こけし堂11ろくろ周り。
刃先の異なるカンナがいくつも並んでいます。

 

鳴子_こけし堂12
電動式ろくろの隣には足踏みろくろも備えています。
ちなみに新調品です。

Kokeshi Second Angle,鳴子系こけしのワザ,早坂利成

利成工人_1608東京国際フォーラム開催された「ものづくり 匠の技の祭典 2016」の模様です。

現在では使用する機会の少ない「足踏みろくろ」でこけしを製作しているところを動画に収録しています。
構造上、ろくろの回転が「正転-逆転」と繰り返されるため、鉋を当てる際に回転のタイミングと合わせなければならず、とても熟練の必要な作業です。
現在、足踏みろくろを使ってこけし製作ができるのは、動画内で実演している伝統工芸士・早坂利成工人(鳴子系)のほか数人しかいません。