Kokeshi Second Angle,木地山系北山賢一

4月末日だというのに冬に逆戻りしたようなひんやりとした朝。
しまい込んだ冬物をふたたび着込んだり、暖房のスイッチに思わず手を伸ばしてしまう中で取り出したのがこのこけし。

横手・北山賢一工人作小椋俊雄型、年代不明.

ニットセーターを着たお姉さんをふと思い出します。

こちらは東京こけし友の会の例会にて入手した作品。
直感的に美しいなあと感じました。

横手・北山賢一工人作小椋俊雄型、年代不明.

クールな表情に、まさにニットを連想するざらっとした手触りの木地。

横手・北山賢一工人作小椋俊雄型、年代不明.

胸元に描かれた紫の蝶と膨らみかけた赤い蕾の描彩。筆のかすれに蕾の柔らかさを感じます。

横手・北山賢一工人作小椋俊雄型、年代不明.

胴に描かれた鮮やかな花。茎や葉のいずれにも動きを感じます。裾の葉を描くときの筆の運びがリズミカルです。

Kokeshi Second Angle,土湯系阿部国敏

東京こけし友の会2022年3月例会で頒布された作品です。

阿部国敏工人作治助型、2022.

ろくろ線のかすれ、敢えて線の太さを不均一に引くことによる揺らぎ具合に注目です。

阿部国敏工人作治助型、2022.

頭部から肩の部分に注目。実はこれ、作りつけなのです。
いかにもはめ込んでいるような感じで木地を仕上げ、描彩を施しています。

今回の頒布ではこちらの「作りつけバージョン」と「はめ込み式バージョン」の2パターンが出品されました。