Kokeshi Second Angle,土湯系高橋忠蔵

原ノ町時代末期の雰囲気が残る70歳作。
遠目な感じでいるけれど、こちらから問いかけていくとひとつひとつ応えてくれるようなまなざしです。

こちらは原ノ町に在住していた最後の頃の忠蔵工人作。底面の署名でも表示しています。
この作品を製作した同年春、息子・高橋佳隆工人の住む東京都日野市に引っ越すことになります。

Kokeshi Second Angle,土湯系大内一次,湊屋系列

このこけしが手元にくるまでどのような人生(?)をたどってきたのかは定かではありませんが、行く先々で大切にされていたのだと思います。だからこそ現代においてもじわりと美しさを放ち続けるのだと考えます。

弁松弁当の甘濃ゆい味の沁みた里芋や蓮根のような飴色の光沢に魅せられると古品街道に走ってしまいそうです。

こちらは1957年(昭和32年)作。左上の視線が素敵。
ぱっちり眼の7寸と落ち着いた微笑の1尺作品を並べてみると寸法に似合う表情というものがあることに気づきます。