Kokeshi Second Angle,弥治郎系新山実

伝統こけしに興味を覚えた直後、いくつかの資料を読み漁っているうちに、個々の作品には呼び方があって「作者名+師匠など先代の名前+型+特徴」と表すことが多いとわかりました。長年鉄道趣味を続けている私にとっては「モハ481形 キノコ型クーラー」といったファン特有の車両の呼び方に近いものを感じ、合点がいきました。

今回は「えいごろうがた まげ」です。
最後の「まげ」という響きにそそるものがあります。
多くのこけしは頭髪の髷を描くことで表現しますが、これを木地と描彩で立体的に表現したものを「髷こけし」と呼んでいます。髷こけしを手がけた工人は多数おり、弥治郎系では新山栄五郎工人とその弟子の作品が知られております。

画像は2015年7月2日、巣鴨のとげぬき地蔵尊で開催された「弥治郎系伝統こけし製作実演」で入手した新山実工人の作品です(当日の模様は姉妹サイト「現代風景通信」の「2015.07 美と技巧に浸る4時間 ~巣鴨とげぬき地蔵尊・弥治郎系伝統こけし製作実演~」に掲載しております)。

一筆目、淡いチークなど実工人のセンスが盛り込まれています。
素直に愛くるしい表情です。この作品を見つめていると自分まで目を細めてほほえみ返してしまいます。

新山実栄五郎型髷1

新山実栄五郎型髷2

新山実栄五郎型髷3

新山実栄五郎型髷4