Kokeshi Second Angle,こけし道中

このポスターが目印

2014年の第60回全国こけし祭りのあたりから開催され、当初11月30日までの予定がそのまま現在も続いている常設展です。

会場は鳴子温泉の街中にある各商店。上記写真のポスターが掲げてある店舗で開催しています。「街全体がこけしミュージアム」をコンセプトにしています。

お店ごとのディスプレイを楽しむもよし、思わぬお宝を探すもよし、お店の人に展示品の来歴を訊いてみるもよし、「こけしの町、鳴子とそこで生まれた作品」を五感で感じてほしいという思いが「フィール」のことばに込められています。

2014年開催当時のポスター

1万2千本のオリンピックこけしで紹介した作品も並ぶ店頭にて。
遊佐福寿工人作のいわゆる「斜め笠」もありました。

産地ではコレクション(?)をどのようにディスプレイしているかウォッチするのも楽しいものです。

温泉街の洋品店にて。
ショーケースに飾るのもなかなか趣きがあります。一般家庭ではなかなかできない飾り方ですが、こけしをとても大切に扱っていることがよく理解できます。

個人的に、お店にさりげなく飾ってあるこけしの群れが結構好きです。

こけしに興味を持ち出すと、作品を目にしたその二言目にウンチクや能書きが出そうになりますが、そのような自分に原点を突きつけてくるのです。可愛いとか情味とかの言葉で表現すると必ず限界が出る、店内の空気で醸し出されるオンリーワン。
ポスターの娘さんもずいぶん大きくなりました。


What is “Feel Kokeshi Exhibition” ?

It is a permanent exhibition held from around the 60th All Japan Kokeshi Festival in 2014 and the schedule until the 30th of November is still continuing as it is.

The venue are each store in the town of Naruko Onsen. The concept of “whole town is Kokeshi Museum".

Enjoy exhibitions for each shop, look for unexpected treasures, ask the people in the store about the history of the exhibits, and so on. The feeling that “I want you to feel in the town of Kokeshi, Naruko and the works born there" with the senses is included in the word “feel".

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The Kokeshi doll filled with memories of the trip is the only masterpiece for travelers. Cameras and videos leave vivid records, but the Kokeshi dolls leave memories clear.


『手帖(686号,p17-,2018.3)』に掲載された、織物作家の和田薫子さんが 大沼君子 工人の思い出を綴った記事がとても印象に残り、思わず手に入れたのがこちら。

旅の思い出が染み込んだこけしは自分にとってかけがえのない名作なんだと記事を読んで思いました。

カメラやヴィデオは記録を鮮明に残すけど、こけしは記憶を鮮明に残すのでしょうか。

残念ながら私は君子工人にお会いすることはできなかったけど、作品を眺めていると総合支所裏の坂道にある町並みと匂いを思い出すことができます。


新屋敷・君子工人作と、参考として鷲巣・ 佐藤俊雄 工人作(左)。
君子工人は注文が入ると、東鳴子の俊雄工人(師匠は君子工人の父、 大沼新兵衛 工人)に木地を頼んでいたことが記事で触れられています。